「チャルメラ」「中華三昧」など即席麺の人気商品を多く持つ明星食品の株式を、米投資ファンドのスティール・パートナーズが買い増している。昨年十二月の持ち分は二三・一一%。スティール日本代表の黒田賢三氏を社外取締役にも送り込んだ。 スティールの狙いは「経営効率化で高額のキャピタルゲインを得るか、それがうまくいかなければ明星の競合他社に株を転売する」(大手証券幹部)ことにある。明星に複数の中国企業が関心を示しているともいう。 中国の即席麺市場は毎年二割前後のペースで拡大中。しかも「日本のインスタントラーメンは高品質との評価が確立しつつある」(大手商社関係者)。日清食品が即席麺で中国第二位の河北華龍麺業に出資するなど、日本勢の対中進出は加速している。 スティールはそこに着目。明星に中国を中心とした海外戦略を強化するよう要請する一方、「中国の食品大手の康師傅などに株を売却する」(大手証券幹部)シナリオもあるようだ。

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