先日、中央アジアのキルギスでアカエフ大統領が追放された「民衆革命」の波及を恐れ、中国が軍事介入を画策した形跡がある。 北京の外交筋によると、中国当局は、キルギスの野党勢力の攻勢によってアカエフ大統領の失脚が避けられなくなった時点で、同国の首都ビシケクに住む中国人の保護を名目として軍事介入する方針を決定。キルギスとの国境に近い数十カ所に中国兵が大量動員され、北京の党中央の指令でいつでもビシケクの軍事制圧を開始できる準備が整った。 胡錦濤国家主席(党総書記)ら中国首脳はキルギス軍事介入の前提条件として、キルギスを含む中央アジア四カ国と中露で構成する上海協力機構(SCO)の介入容認決議を求めた。これを受け、李肇星外相が関係各国の外相に直接電話をかけ、SCO緊急会議開催を要請したが、ロシアが旧ソ連諸国に対する中国の動きを警戒。同会議が開かれることはなく、中国軍の介入も結局実現せずに終わったという。 中国はこれまで、キルギスの「革命」の動きが新疆ウイグル自治区での独立運動を刺激することを極度に警戒。アカエフ大統領を取り込んで、ウイグル独立運動の封じ込めを図ってきたとされている。

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