ロシアのプーチン政権が、三月のチェチェン共和国独立派のマスハドフ司令官殺害に続き、今度は親ロシア派の大物、カディロフ第一副首相を暗殺するのではないかとの情報がある。 第一副首相は親ロシア派政権の故カディロフ前大統領の息子で、数千人といわれる私兵集団を父親から引き継いだ。が、最近では連邦政権にチェチェンの石油利権の分割などを要求、クレムリンの不興を買っている。 また、私兵集団による独立派や市民の誘拐、拷問、暗殺もエスカレート。人権侵害との批判も招く第一副首相の存在は「来年、サンクトペテルブルクで初の主要国首脳会議を主催するプーチン大統領に好ましくないものになった」(政府筋)という。 クレムリン筋によると、連邦保安局はマスハドフ司令官の所在を一年以上前から把握し、いつでも殺害できる状況にあった。それを最近になってプーチン大統領が殺害に踏み切った裏には、社会保障改革で低下した人気を回復しようという目論見だけではなく、その後に予定するカディロフ暗殺を独立派の報復に見せかける布石だという。

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