日中の「相互感情の悪さ」は「どのぐらい異常」なのか
2013年8月6日
この夏、中国の雲南省や四川省を旅していたのだが、世界遺産に指定された有名な大仏がある四川省楽山市の下町で足裏マッサージを受けていたときのこと。マッサージ師の40歳ぐらいのおばさんが急にぶつぶつ言い始めた。
「日本人ってのは本当にひどい連中で、釣魚島(尖閣諸島)を買っちまうし、靖国神社に安倍が行って戦犯のことを拝みに行くっていうし、いったいどうなってるんだろうね」
ああ、またかと思って黙って聞いていると、
「こないだ日本人がお店に来たから、思いっきり手を抜いてやったんだよ」
「お金もちょっとばかり多めに請求してやったんだ」
などと言う。それにしては、けっこう一生懸命、力を込めて私の足をもんでくれている。
そして、こう言った。
「あんたは台湾か香港から来たんだろう? 言葉を聞けば分かるんだよ。台湾は馬英九になってよくなったね。もとから台湾は中国なんだから、一緒に仲良くするのが一番だよ」
台湾や香港で生活した時間が長い私の中国語はどこに行っても南方なまりだと言われる。そして、中国では台湾人や香港人と勘違いされることも、ままある。たいていすぐに日本人だと訂正するのだが、このときばかりはさすがに「いや、日本人です」とは言い出せなかった。せっかくのマッサージで手を抜かれてはたまらない。
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