アフガニスタンとパキスタンで米国の軍事的存在感が増している。 まず、現地の軍事筋によると、米軍は最近、アフガニスタン北部ワジリスタン地区を攻撃するため、パキスタン軍のヘリ操縦士やコマンド要員との合同訓練を強化。また、パキスタン北西部のペシャワル近郊に駐屯するパキスタン軍特殊部隊ともテロリスト掃討訓練を重ねている。 これらの合同訓練は、最新のハイテク兵器を使用し、夜間にも実施。「09L」と呼ばれる米陸軍の言語特殊兵も多数投入されている。「09L」は、アフガニスタンで話されるダリー語やパシュトゥン語のほか、アラビア語にも堪能で、現地の文化や風習にも通じている。 イスラマバードの消息筋は、言語特殊兵を交えた訓練の背景について、「アル・カエダのナンバー3と目され、パキスタンで最近逮捕されたアブファラジ・アル・リビーの尋問から、オサマ・ビン・ラディンの所在に関する有力情報を得たのではないか」と指摘。ビン・ラディン逮捕を目指す作戦が近いと読む。 他方で、パキスタンとアフガニスタンには新たな米軍基地も設けられる。イラン攻撃を念頭に置いたものと言われる。 パキスタンは、ラムズフェルド米国防長官の要請を受けて、カラチとイスラマバードの近郊に基地を新設することに同意した。既存のジャコババード、ダルバンディン、パスニの三基地は、使用目的が捜索救助活動に限定されてきた。が、新設される基地には九千人規模の米特殊部隊が置かれる予定で、その一部はすでにイラン国内での工作活動を開始しているという。なお、もしイラン攻撃が始まれば、カラチの港もパキスタン国内の米特殊部隊向けの物資輸送拠点として使われる模様だ。

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