米政府関係者によると、北朝鮮がベネズエラに弾道ミサイルを輸出する計画がある。このほど北朝鮮の代表団がベネズエラの首都カラカスを訪れ、ミサイル輸出について協議したものとみられるという。 ノドン(射程約千三百キロ)やテポドン(同千五百キロ以上)といったミサイルが輸出されると、米国本土が射程内に入る。そのため、米政府は両国の接近に神経を尖らせている。 北朝鮮はこれまで主に中東方面にミサイルを輸出してきた。日米などが推進する大量破壊兵器拡散防止構想(PSI)により、「ミサイル輸出収入は大幅に減少している」(ボルトン米国務次官)とみられているものの、北朝鮮が依然として大量破壊兵器の「拡散懸念国」であることに変わりはない。 一方、ベネズエラは世界第五位の石油輸出国で、外貨収入は豊富。南米の“反米の旗手”ともいわれるチャベス政権は米国との対決姿勢を強めており、北朝鮮にとって「格好の上客」になりうるというわけだ。 また、冒頭の米政府関係者は、北朝鮮が弾道ミサイルだけでなく麻薬や偽ドル札も輸出し、これらがベネズエラを介して中南米諸国に流れる可能性も指摘している。

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