ゴールデンウィークは日本の政治家が一斉に海外に飛び出す外交の黄金週間でもある。日本は祝日でも相手国は平日。各国要人とのアポイントメントが取りやすいうえ、永田町も霞が関もこの期間はほぼ完全に活動を停止するため、後顧の憂いなく日本を後にできる。 そうした物理的な事情に加え今年は、しかるべき立場の政治家なら国内で安閑としてはいられない特別な事情があった。六カ国協議への参加無期限中断と「自衛のための核兵器」製造を宣言し、国際的孤立化の道をひた走る北朝鮮問題、反日デモに象徴される中国、韓国との関係悪化、九月の国連特別首脳会合に向け賛否両派の綱引きが激しさを増してきた国連安全保障理事会常任理事国入り問題。この局面をどう乗り越えるか、まさに日本外交、日本の政治リーダーの実力が問われる正念場を迎えていたからだ。 小泉純一郎首相や町村信孝外相がフル回転したのは無論、与党幹部も政府の側面支援に回った。誰がどこへ行き、何を語ったか。ゴールデンウィーク外遊からは、日本政治の今と明日が読み取れる。結局、腰砕けの山崎氏 自民党の武部勤、公明党の冬柴鉄三両幹事長が引き受けた韓国訪問は胃が痛くなるような旅だった。五月六日、二人はそろって盧武鉉大統領を青瓦台(大統領官邸)に表敬訪問した。韓国国内で反日感情が一気に燃え上がった三月の島根県の「竹島(韓国名・独島)の日」条例制定以来、大統領が日本の要人と会うのはこの日が初めて。

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