米軍の新兵採用はやっぱり難航

執筆者:2005年7月号

 米軍のイラク駐留が長引く中、兵士不足が一段と深刻化する見通しが強まっている。 とりわけ懸念されるのが、新兵の徴募がさっぱり進まないこと。二〇〇五会計年度(〇四年十月―〇五年九月)の陸軍の新兵採用目標は八万人とされているが、志願者数はこれまでのところ三万人を大きく割りこんでおり、目標達成はまず不可能な状況にあるという。 国防総省筋は、「陸軍だけでなく、予備役や州兵、海兵隊でも状況は同じ。兵士の不足は今後の米軍戦略に重大な影響を及ぼしかねない」と懸念する。 人材難の最大の理由は、イラク駐留兵士の犠牲者が増え、若者が危険な軍務を避ける傾向が強まっていること。このため、米軍はドラッグ使用歴や肥満などを理由に新兵採用を見送ってきた従来の基準を緩和する措置を打ち出した。だが、軍事専門家からは「問題のある兵士の追放が困難になり、いずれにせよ兵士の質が低下するのは避けられない」との指摘が出ている。

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