マリPKOに中国「人民解放軍」派遣の意味

執筆者:白戸圭一2013年8月22日
 国連PKOへの協力を強化する中国の狙いとは(習近平主席)(C)AFP=時事
国連PKOへの協力を強化する中国の狙いとは(習近平主席)(C)AFP=時事

 フランス軍主導でイスラム過激派の掃討作戦が続いてきたアフリカ西部マリ共和国で7月から、国連平和維持活動(PKO)の「国連マリ多元統合安定化ミッション(MINUSMA)が始まった。4月25日に採択された国連安保理決議2100に基づき、過激派による北部占領やクーデターを経験したマリの安定化を目指すPKOである。要員は軍人1万1200人、文民警察官1440人の総勢1万2640人だ。

 このMINUSMAに、中国政府が本格的な戦闘能力を持つ治安部隊を派遣したことが注目を集めている。

 国連PKOに中国が事実上の戦闘部隊を派遣するのは初めてのことだ。中国国防省の楊宇軍報道官は6月27日の記者会見で、医療、工兵、治安維持を担う人民解放軍の部隊約400人をMINUSMAに派遣することを発表した。報道官によると、治安部隊の任務は主にMINUSMAの司令部やPKO部隊の駐屯地の警備だという。

 米国の外交専門誌フォーリン・ポリシーによると、派遣されるのは中国吉林省長春に司令部を置く人民解放軍第16集団軍の395人だという。

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