クレムリンの最大派閥であるサンクト派内部で、「官僚派」と「武闘派」の内紛が深刻化している模様だ。 双方は、ロシア天然ガス最大手ガスプロムと国営石油会社ロスネフチの合併問題で対立。官僚派が合併によるエネルギー業界再編を狙ったのに対し、旧ソ連国家保安委員会(KGB)出身の武闘派は合併に反対。結局、武闘派が押し切った。 双方の路線論争は内外政策にも及んでおり、「二〇〇八年のプーチン大統領の任期切れを控え、権力闘争が激化する」(政界筋)との見方が多い。 官僚派は、プーチン大統領の出身地であるサンクトペテルブルクの市政府に勤務していたグループ。メドベージェフ大統領府長官、クドリン財務相、グレフ経済発展相、ミルレル・ガスプロム社長、コザク南部連邦管区大統領全権代表らがいる。 一方、武闘派はペテルブルクKGBにいたイワノフ国防相、イワノフ大統領補佐官、セチン大統領府副長官、パトルシェフ連邦保安局長官ら。最近はこちらが優勢のようだ。 メドベージェフ長官は最近エクスペルト誌で、「指導層の深刻な対立が続けば、統一国家としてのロシアは消滅する」と警告。双方に軸足を置くプーチン大統領も調停能力を失いつつあるという。

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