米国最大のお尋ね者となった米中央情報局(CIA)の元コンピューター技術者、エドワード・スノーデン容疑者が6月23日にモスクワ入りして2カ月以上になるが、今回の亡命劇はロシアが仕掛けた可能性のあることがロシアの報道で次第に明らかになりつつある。プーチン大統領は「(スノーデン氏の)モスクワ入りは全くのサプライズで、予想もしなかった。ロシアへのいかなる非難もナンセンスだ」と強調したが、背後に米露の激しい情報戦があったようだ。

 

 ロシア紙コメルサント(8月26日付)によれば、スノーデン容疑者はモスクワに向かう数日前から香港のロシア領事館に居住し、この間、6月21日には30歳の誕生日を領事館で祝ってもらった。在香港ロシア領事館はビクトリア湾を望む高層ビルの21階にあり、23日早朝、領事館から直接空港に行き、アエロフロート機でモスクワに向かった。

 

 複数の消息筋の話として報じたところでは、同容疑者がモスクワ経由ハバナ行きのチケットを購入したのは6月21日。当時領事館に滞在していたことから、モスクワ到着が「全くのサプライズ」(プーチン大統領)だったことはあり得ない。キューバ行きの便に搭乗しなかったのは、米国の圧力を受けたキューバ当局が着陸拒否を示唆したためという。

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