フジテレビを筆頭に、民放キー局の“熱い視線”を集める携帯コンテンツ企業インデックス。経営者の落合は何を目指すのか――。 その日、フジテレビジョン会長、日枝久(六七)は機嫌が悪かった。ニッポン放送の新株予約権発行による増資の差し止めを求めたライブドアの仮処分申請に対し、東京地裁が「フジサンケイグループ経営陣の支配権維持が主目的で不公正発行に当たる」として予約権発行の差し止めを決定したのだ。日枝が帰宅したのは深夜で、日付はすでに三月十二日に替わっていた。 報道陣から、ライブドア社長の堀江貴文(三二)がインターネットと放送の融合を提唱していることについて質されると、それまで淡々と答えていた日枝の口調は一転した。「そんなことは十年も前から進めている。新鮮味はない」。この時、おそらく日枝の脳裏にはインデックス会長、落合正美(四五)の茫洋とした容貌が過ぎっていたのではないか。長く続かなかった「最初の成功」 落合と日枝はIT業界で「知る人ぞ知る親密な関係」と囁かれていた。きっかけはインデックスが二〇〇〇年一月にNTTドコモの携帯電話iモード向けに配信を始めた「ガチャピン・ムック」。子供番組キャラクターのイラスト付き電子メールを作れることなどがうけ、一躍iモードの人気コンテンツになった。

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