自治体があえぎ、企業も悲鳴をあげるリサイクルのコスト。小手先の法改正ではなく、根本を見直さなければ、必ず破綻が訪れる。「容器包装リサイクル法に参加することで通常のごみ処理よりも一・七倍のコストがかかる。これでは“資源化貧乏”だ」。自治体がそう訴えれば、企業側も「われわれが支払うリサイクル料金は際限なく増えている。このままでは“リサイクル倒産”してしまう」と反論する――。 家庭から排出される容器包装廃棄物の減量化やリサイクルを進めるため、関係企業すべてに再商品化の責任を持たせることを狙った容リ法(容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律)は、一九九五年に成立した。それから十年、法で定められた見直しの時期に待ち受けていたのは、当初の理念とは裏腹に、リサイクルの担い手である企業と自治体がともにコスト負担の増加に悲鳴をあげる現実だった。 容リ法の成立は異例尽くめだった。まず、当時の厚生、通産、農水、環境、大蔵の五省庁間での調整が紛糾。通常行なう閣議前日の事務次官会議を経ず、締切よりも一カ月以上遅れて閣議決定・国会提出にこぎつけた。が、いったん法律が制定されると、今度は運用に際して「関係省庁がエゴ丸出しではシステムが崩壊してしまう」と、縦割りを排した異例の協力体制ができたのである。

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