ドコモでのiPhone販売日(9月20日)にはユーザーが殺到した (C)時事
ドコモでのiPhone販売日(9月20日)にはユーザーが殺到した (C)時事

 パソコンOSの覇者であるマイクロソフトが9月2日 、携帯電話端末で世界ナンバーワンだったフィンランドのノキアのモバイル部門を買収すると発表した。54億4000万ユーロ(約7140 億円)という巨額を投じた買収だ。M&Aの多いIT業界でも衝撃的な動きといっていいだろう。

 そしてその1週間後の10日、アップルはドコモのiPhone販売開始を発表した。 スマートフォンをめぐって世界のIT業界は激動している。

 こうした動きの背景を追ううえでまず確認すべきは、IT業界に起きている3つの潮流である。

 第1は、移動体通信の主戦場が一般的な携帯電話「フィーチャーフォン」から、実質的にパソコンの機能を有し、通話よりもネット接続やアプリケーション機能が主となったスマートフォンに完全に移行したことである。移動体通信機器の使用目的が通話からメール、SNS、ネット接続に転換したからだ。

 第2は、パソコン時代の終焉だ。パソコンの主役は1990年代のデスクトップから21世紀にはノートブック、さらに超軽量のウルトラノートへと小型軽量化の方向で進化したが、次のステージはついにパソコンの領域を超え、スマホになった。従来のパソコンもこれからも様々な場所で使われ続けるだろうが、それは新幹線が普及した後の在来線のような存在になるだろう。

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