9月中旬、北京でオークションが開かれた。主催者は中国最大のオークション企業「嘉徳国際」。注目されたのが、今回は嘉徳が特別に毛沢東をテーマとした品々をずらりとそろえたことだ。

 最も高い値段がついたのが、1944年に20部だけ出版されたという革命前の「毛沢東選集」で、350万人民元(1人民元=約15円)の価格がついたとされる。

 くしくも嘉徳の創業者である陳東昇という人物は、毛沢東の孫にあたる孔東梅と結婚しており、嘉徳と毛沢東との関係が話題にもなった。ちなみに、この嘉徳を陳東昇と一緒に創業した王雁南という女性は趙紫陽の娘だというから、中国の文化と政治の繋がりは奥が深い。

 こうした毛沢東がらみの品々は中国では「紅色コレクション」と呼ばれ、近年、人気が急上昇している。今年8月には、毛沢東選集の豪華版が別のオークションにおいて152万元で落札されたが、数年前の市場価格はわずか20万元程度だったと言われている。

 また、今春のオークションでは、毛沢東と妻・江青が一緒に表紙に写った1949年発行の雑誌「新聞天地」が、当初の想定価格が3万元だったものが、値段がどんどんつり上がって34万元まで上がったことが話題になった。

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