6カ国協議10周年

 9月18日、中国・北京の国際セミナーで演説する北朝鮮の金桂冠第1外務次官(中央)(C)時事
9月18日、中国・北京の国際セミナーで演説する北朝鮮の金桂冠第1外務次官(中央)(C)時事

 南北関係が「和解と団結」から「非難と対立」へ急変する直前の9月18日に、北京で、中国外務省の外郭団体である国際問題研究所の主催で、北朝鮮の核問題をめぐる6カ国協議の10周年を記念した国際会議が開かれた。

 北朝鮮の核問題に関する6カ国協議は2003年8月27日から29日まで第1回会合が北京で開催された。今年は6カ国協議が始まって10年になるが、同時に6カ国協議は2008年12月に最後の会合を開いて4年以上が経過した。

 中国はこの国際会議に先立って、8月26日から30日まで中国の6カ国協議首席代表である武大偉朝鮮半島問題特別代表を訪朝させた。武大偉特別代表は27日には金桂冠(キム・ケグァン)第1外務次官と会談した。中国も北朝鮮も、会談内容については明らかにしなかったが、6カ国協議再開をめぐる意見交換だったことは間違いない。

 中国、北朝鮮、ロシアは外務省高官が参加したが、日米韓3国は研究者や北京駐在の外交官が参加した。6カ国の外交当局者が参加して6カ国協議の10年を総括して次の展望を考察する国際会議というよりは、中国が北朝鮮の立場表明の場をつくってやるという色彩が強い会議になった。

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