左右社会党の再統一に危機感を抱いた保守政党、自由、民主両党が合流し自由民主党を結成して、今年でちょうど半世紀を迎える。立党五十年の記念日・十一月十五日が紀宮さまの結婚式と重なったため、日をずらして行なわれる記念式典で、第二十代総裁・小泉純一郎首相は高らかに宣言するはずだ。「自民党は改革推進政党になった。半世紀を経て生まれ変わった」と――。 実際、今回の衆院選で自民党はまるで追い風に乗る新党のようだった。案山子を立てるように無造作に擁立した無名の新人が各地で、地元に根を張る現職を追い上げ、追い抜いた。特別な選挙戦術を駆使したわけではない。ただ「自民党公認」の看板と、「郵政民営化賛成」「小泉首相とともに改革を推進する」という連呼だけだった。結果は自民二百九十六議席(公示前勢力より八十四議席増)、民主百十三議席(同六十四議席減)の地滑り的大勝利。自民党が衆院選で単独過半数を獲得したのは十五年ぶりだった。 年来の持論の郵政民営化実現のため、捨て身の衆院解散・総選挙に打って出た首相の気迫あふれる姿に、多くの有権者が「自民党が、政治が変わるかもしれない」と期待を寄せた結果だった。「小泉台風が日本を縦断した」

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