「お台場カジノ」のモデル、シンガポールの大型複合リゾートホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」(写真は筆者撮影)
「お台場カジノ」のモデル、シンガポールの大型複合リゾートホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」(写真は筆者撮影)

 カジノをつくれば外国人観光客が押し寄せ、日本の経済が活性化する――。カジノ解禁を目指す超党派の国会議員たちは「カジノ」を成長戦略の柱に位置づけ、今国会中の法案提出を目指している。2020年の東京オリンピック開催も追い風となり、いよいよ「お台場カジノ」が現実味を帯びてきた。日本でカジノを解禁すれば「年1兆円」の収入が見込めるとの試算もある。だが、本当にカジノ目当てに外国人観光客はやって来て、日本に大金を落としてくれるのか。「お台場カジノ」のモデルがあるシンガポールを訪れた。

 

人影はまばら

 カジノの内部。人のいないテーブルも目につく
カジノの内部。人のいないテーブルも目につく

 2010年、海沿いにオープンした大型複合リゾートホテル「マリーナ・ベイ・サンズ」(MBS)。57階建てのタワー3棟に船の形をした空中庭園が乗った同ホテルは、日本のカジノ推進派が検討している統合型リゾート(IR)のモデルだ。開業当初からシンガポールの新名所となっており、筆者が訪れた週末の午後も、低層階のショッピングモールはアジア各国の観光客で大賑わい。だが、1階の一角にあるカジノに足を踏み入れると、まるで別世界だった。

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