日本ではホテル、百貨店などによる食品偽装が次々と明らかになっているなか、ほぼ同時進行で、台湾も同じ食品偽装で大騒ぎになっている。ただ、こちらは料理ではなく、スーパーなどで販売される食用油であり、製造元の「大統」の経営者らが詐欺罪などで次々と拘束、起訴されている。

 大統は台湾中部に本社を置く会社で、1970年代の創業だが、近年とみに低価格の食用油を大量に生産することで急成長していた。今年10月、衛生局の立入検査で明らかになった不正の内実は、人々を驚愕させるものだった。

 大統は「エクストラ・バージン・オリーブオイル」と称して、内容量の50%以上はオリーブオイルではなく、綿実油などの食用油が混入しており、オリーブオイルの色を出すために、人工着色料を加えていた。

 ほかにも、同社の食用油関係の製品にはことごとく表示とは異なる材料がコスト削減のために混入していることが判明し、大統は大きなシェアを持っていただけに社会はパニック状態となり、台湾では一斉に大統の商品がスーパーなどから撤去された。同社の経営者は食品衛生管理法違反だけではなく、詐欺罪でも起訴され、巨額の賠償を支払わなければならなくなった。

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