400周年の記念切手も交換した両首脳    (C)時事
400周年の記念切手も交換した両首脳    (C)時事

「日本スペイン交流400周年」を記念して日本で各種の交流事業が始まるのに合わせ、スペインのラホイ首相が10月1-3日、来日した。

 1613年、仙台藩主の伊達政宗は徳川家康の許可を得て、支倉常長を正使とする慶長遣欧 使節団を派遣。使節団は太平洋と大西洋を横断して翌年、スペインに到着し、国王フェリペ3世に謁見を果たした。この使節団派遣が日本とスペインの交流の起点とされている。

 ラホイ首相は東京でのシンポジウムやビジネスフォーラムのほか、3・11の被災者への連帯を表するために、福島県立美術館でもたれたスペイン人芸術家の作品展のオープニングにも精力的に出席した。

 最終日の3日夕、安倍首相とラホイ首相の首脳会談が行なわれ、両国関係を飛躍的に発展させること、またスペイン企業のアジア進出を日本が、日本企業の中南米進出をスペインが、相互に支援していくことなどを確認する共同声明を発表した。

 日本とスペインは海洋国家として国柄が似ているが、安倍首相とラホイ首相も保守政治家として政策の方向と考え方が似ている。

 両首脳はそれぞれの経済再生に向けた努力を相互に評価し、成長を重視した経済再生を図る点で一致した。ドイツは緊縮政策による財政再建を優先するが、それだけでは経済は衰退するとの危機感がスペインにはある。この点でアベノミクスへの関心は高い。また共同声明には、中国を念頭に「法の支配に基づく海洋の安全と航行の自由の確保」という1項目が入った。海洋国家として両国はこの点でも一致する。

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