政府系金融機関「まやかしの改革」は許されず

執筆者:本田真澄2005年11月号

「道路公団方式」「独立行政法人化」で改革の“骨抜き”を狙った財務省――何よりも、「官僚による官僚のための融資」の実態を究明せよ。「どんな手が出てくるのかまったく見えない。“竹中爆撃機”の空襲に、今か今かと怯えるような気持ち」。ある財務省幹部は最近、そんな言葉を漏らしている。「この既得権益を失えば、財務省の人事制度が崩壊する」と、心配顔なのである。 小泉政権が郵政民営化、公務員削減と並ぶ「改革の目玉」と位置づけた政府系金融機関の統廃合。飛ぶ鳥を落とす勢いの小泉首相・竹中経済財政相コンビに対峙して、「落とし所」を探れる政治家は見あたらない。先の郵政民営化の時は、片山虎之助自民党参議院幹事長あたりが、そうした役回りだったのだが……。 統廃合の対象に挙がっている政府系金融機関は八つ。財務省はそのいずれともかかわりを持つが、財務省主管と言えるものは三つある。▽日本政策投資銀行▽国民生活金融公庫▽国際協力銀行 他の五つは、他省庁との共管だ。▽中小企業金融公庫(共管・経済産業省)▽商工組合中央金庫(同前)▽沖縄振興開発金融公庫(共管・内閣府)▽農林漁業金融公庫(共管・農林水産省)▽公営企業金融公庫(共管・総務省)

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