中国軍の「ウェブ部隊」が、インドの在外公館の情報ネットワークに侵入し、機密情報を引き出していた。 一年ほど前、インドは友好的な第三国から、中国による「サイバー盗聴」について警告を受けていたが、具体的な嫌疑が浮上したのは二カ月ほど前。インドと台湾の海軍当局者がシンガポールで秘密会合を持ったことを中国が嗅ぎつけ、インドに“警告”を送ってきたのだ。 当初インド側が疑ったのは、スパイなどを通じた人的な情報漏洩。だが、調査の結果、欧米の各都市やシンガポール、北京などにある在外公館とのネットでのやりとりが中国に筒抜けになっていたことが判明した。一カ月に三千頁ものペースで機密文書が漏れていたという。 中国軍の「ウェブ部隊」は二万二千人を擁し、韓国やシンガポール、マレーシアやイスラエルなどのソフトウェア企業の技術を用いてサイバー攻撃などを仕掛けている。こうした“協力企業”にインドのメーカーも含まれているのは皮肉だ。

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