安倍首相とみんなの党の渡辺代表 (C)時事
安倍首相とみんなの党の渡辺代表 (C)時事

 特定秘密保護法案をめぐって自民、公明、日本維新、みんな4党が修正合意に達したことは、安倍晋三首相の政権運営における重大な前進と言えるだろう(維新は法案内容には賛成だが、審議日程をめぐり衆院採決を欠席)。なぜなら、これは安倍政権において本格的なパーシャル連合(部分連合=個々の政策ごとに与野党が手を組む政治形態)が成立したことを意味するからだ。自民党の石破茂幹事長の秘密保護法反対デモをめぐる問題発言によって、臨時国会最終盤は波乱模様となっているが、大勢に影響はなく、法案成立は確実な情勢である。

 

 もちろんこれまでも与野党が一致して法律を成立させたことは何度もある。たとえば、悪質運転による死傷事故の罰則を強化する自動車運転死傷行為処罰法は、11月20日の参院本会議において全会一致で可決、成立している。

 だが、こうした法案はもともと全党が賛成していた法案である。与野党の意見が当初は分かれていた上に、今臨時国会を象徴する重要法案である秘密保護法案で与野党が合意に達した意味は非常に大きい。

 しかも、今回の動きはパーシャル連合にとどまらない。将来的に野党の一部が自民党と政策協定を結んで、閣外協力の形をとったり、場合によっては閣僚を送り出して本格的な連立政権に発展したりする可能性がある。

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