外資系ながら日本企業も顔負けのドブ板営業で大型案件にくいこむゴールドマン・サックス。だが、その目立ち方と評判は反比例――。 この夏、東京の金融界でひそかに話題を呼んだ写真がある。詳しくは後述するが、米国に本拠地をおく“世界最強”の呼び名も高い投資銀行「ゴールドマン・サックス」が関係した“ある出来事”の写真だ。数年前に撮られたにもかかわらず今なお蒸し返されるのは、ゴールドマンほど東京のM&A(企業の合併・買収)業界で注目されている投資銀行はないことを示している。 最近、“ゴールドマン案件”が、相次いで話題を呼んでいる。(1)TBSに対する楽天の買収劇では、当初TBSに企業防衛を提案したにもかかわらず、拒絶されると楽天側のアドバイザーに回り、TBS幹部が「節操がない」と激怒した。さらに楽天の承諾なしに「うちは敵対的買収も辞さない」とTBSのアドバイザーを務める日興プリンシパル・インベストメンツに言い放った。(2)迷走する西武鉄道の再編劇では、西武鉄道への投資家として名乗りを上げたものの入札で落選するやいなや、西武鉄道への対抗TOB(株式の公開買い付け)をぶち上げた堤清二・猶二兄弟に資金調達を申し入れた。(3)十一月十一日に独ダイムラークライスラーの保有する三菱自動車の全株式(発行済み株式総数の一二・四二%)を取得し、そのほとんどを即日売却。短期売買で収益をあげた。

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