イランと南米のベネズエラが「核開発」で協力する動きを見せている。ワシントンの消息筋が明かすところでは、米情報機関はこのほど、ベネズエラのチャベス大統領がテヘランに「密使」を送ったとの情報を複数入手した。イランに対し、核技術の研究・開発で協力を求めたという。 一方、テヘランの消息筋が明かすイラン政府高官の話では、イランのアフマディネジャード大統領はベネズエラ側の要請に応じる考えだとされる。反米を公然と唱え、国外でも反米活動を展開するチャベス氏と、大統領就任早々、自国の核開発などで国際社会に強硬姿勢をとるアフマディネジャード氏が手を組もうというのだ。 このテヘラン筋は「チャベス大統領が昨年十一月にイランを訪問した際、指導者との会談でイランの核産業への資金援助を申し出ており、核に関してベネズエラとの協力が進むことは十分考えられる」と語る。今年三月にはハタミ大統領(当時)がベネズエラを訪れ、両国はエネルギー政策などでの協力協定に調印してもいる。 前出のワシントンの消息筋は、ベネズエラが本格的な核開発に乗り出すことには、米国務省内に懐疑的な見方もあるとしながらも、「チャベス政権は最近、アルゼンチンやブラジルとも核技術取得をめぐって秘密会合を重ねている」と指摘する。

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