韓国の中央日報社の「中央SUNDAY」は、11月17日付で興味深い記事を掲載した。同紙は「北朝鮮でこのところ予想外の政権交代説が出回っている。張成沢(チャン・ソンテク)国防委員会副委員長が金正恩(キム・ジョンウン)を押し出すということだ」と報じた。

 同紙は「平壌に住む貿易労働者の金氏との電話で『張成沢の権力は大きくなるか』と尋ねると、金氏は『いまは金正恩より張成沢が政権を取ればはるかに生活が良くなるだろうという噂が広まっている』と話した。張成沢は頭が良く、『領導力』が優れており、彼を嫌いだという幹部はいないほど周辺管理を徹底し、下の人たちからも大きな尊敬を受けているという。彼はまた、『金正日(キム・ジョンイル)時代は話すことはできなかったが、〈若い奴がとても幼稚に遊ぶのでこうしたことでは国をつぶしかねない〉とこそこそと言っている。さらに〈李朝500年〉(世襲政権を皮肉る言葉)と公然と話す人もいる』と話した」と報じた。

 

潜在的ライバル

 北朝鮮の住民の間でこうした張成沢待望論が広まっていることが事実とすれば、金正恩第1書記の心境はどうだろうか。金正恩第1書記にとって張成沢氏は自分への権力継承をサポートしてくれた功臣であると同時に、自分に挑戦してくるかもしれないライバルでもある。自分より期待が集まる張成沢氏の存在をうとましく考える可能性はある。

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