日本に事実上“亡命”していたペルーのフジモリ元大統領が突如出国、ペルーの隣国チリに入国し、当局に身柄を拘束された。さまざまな憶測が飛び交っているが、ここまでは計算済みのシナリオであるようだ。 ペルーの首都リマの消息筋がフジモリ氏の政治団体「シクンプレ」幹部の話として明らかにしたところでは、チリ当局から身内への連絡を許されたフジモリ氏は持参の携帯電話で「すべて予定通りにコトが運びそう」と伝えてきたという。この幹部は十月末に東京で行なわれたフジモリ氏とシクンプレ首脳との秘密協議に参加した人物。「チリ行きは東京での会合で決まったが、何カ月も前から練ったプランだ」とも語っている模様だ。 一方、東京にいるフジモリ氏側近によれば、日本に残した恋人とされる女性にもチリから電話があり、同氏は心配する必要はないと述べたという。 リマの消息筋は「リマの日本大使公邸人質事件の際の強行突入と同じように、フジモリ氏は今回も用意周到に準備し、あらゆる事態を想定して電撃行動に踏み切ったのだろう」と指摘。自身の身柄のペルー送還に備えた“秘策”まで策定済みだと見る向きもある。

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