都内の小学校で子供たちにフランス料理の魅力を語るゴメズ氏(左、筆者撮影)
都内の小学校で子供たちにフランス料理の魅力を語るゴメズ氏(左、筆者撮影)

 フランス大統領官邸エリゼ宮の料理長が交代した。11月1日から約20人の料理人を率いているのは、弱冠35歳のギヨーム・ゴメズ氏である。これまでにない異色の料理長である。

 ゴメズ氏は10月下旬、味覚教育を目的とした「味覚の1週間」のイベントで初来日したが、その折、インタビューした。当時は副料理長で、あと数日で料理長になる時だったが、いささかの気負いもなく、料理人になった経緯からエリゼ宮で働くようになったきっかけなど、丁寧に答えてくれた。

「私の名前を見れば分かるように、両親はスペイン南部のアンダルシアからの移民です。私はパリで生まれました」

「料理人とは何の関係もない家庭ですが、私は小さいころから料理に興味をもっていたようです。5歳の時の写真を見ると、紙で作ったコック帽をかぶって格好をつけています」

 1978年生まれ。14歳の時、料理人になりたい気持ちを抑えきれず、学校の授業が終わるとパリ12区のレストランに通い、野菜の皮むきなどを手伝った。16歳の時、2つ星のレストランに見習いで入り、2年間、料理の基礎を学んだ。

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