高校バスケットボール界を席巻したセネガル人留学生。たしかに獲得方法には問題があった。しかし、その後の動きが象徴するのは、スポーツ界に限らず、外国人受け入れに対する定見を欠く日本そのものの姿である。「セネガルに負けるなあー!」 今年八月、千葉県で開催された全国高校総体(インターハイ)。バスケットボール男子決勝戦の最中、五千人の観衆で埋まった会場に大声が響き渡った。 決勝の組み合わせは、初優勝を目指す延岡学園(宮崎)と二度のインターハイ制覇を誇る名門・福岡大大濠(福岡)。序盤から僅差の好ゲームが展開するなか、勝負どころは必ず延岡学園のセネガル人留学生が得点をして突き放す。そんな展開に業を煮やした大濠サポーターが、思わず声を張り上げたのだ。 会場の応援は明らかに大濠有利。同校はベスト4に残った高校で唯一、日本人選手のみの「純血」チームなのである。一方、延岡学園を始めとする三校には皆、二メートルを超す長身のセネガル人選手がいる。インターハイを主催する全国高等学校体育連盟(高体連)は、コート上に一人、チームに二人まで留学生選手を認めている。その彼らが身長を生かしてゴール下でリバウンドを支配、しかも一人でチームの得点の半分近くを稼いでしまうのだ。結局、この日も三点差で延岡学園が勝利。昨年の福岡第一(福岡)に続いてセネガル人選手を擁するチームが優勝をさらった。

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