国際石油資本(メジャー)第二位の英BPがインドでの大型事業を急ピッチで進めている。十月半ばに国営ヒンドゥスタン石油と総額三十億ドルで大型製油所の合弁事業で合意したのに続き、東南部のベンガル湾での天然ガス開発事業に参加しようとしている。インドは中国と並んでエネルギー需要が急増している有望市場。ジョン・ブラウンBP社長が直々に政府や企業トップとの交渉に乗り出し、エクソンモービル、シェブロンテキサコなど米系メジャーに先んじようとしている。 十月中旬、インドを訪れたブラウン社長は、財閥最大手リライアンス・インダストリーズ(RIL)のアンバニ会長と会談した。RILはベンガル湾のクリシュナ・ゴダバリ海盆の第六鉱区で国内最大とされる推定埋蔵量七兆立方フィート(約二千億立方メートル)の天然ガス田を発見。その利権の九割を保有しており、BPはこのプロジェクトへの参加を打診したとみられている。地元紙によると、BPは約二十五億ドルでRILが持つ利権の三九%取得を提示したという。RILは二〇〇九年までのガス田の開発を目指しているが、深海での開発のノウハウがないため外資のパートナーを探しているところだ。 またブラウン社長は同じ時期に、インド石油・天然ガス公社(ONGC)のラハ会長とも会ったと言われている。

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