ケース・スタディ6 マーク・ザッカーバーグ

執筆者:藤沢数希2013年12月28日

 それでは今回は海外のケースを取り上げよう。FacebookのCEOであるマーク・ザッカーバーグである。2012年5月18日にFacebookが株式公開し、その直後の19日に、学生時代から交際していた中国系アメリカ人のプリシラ・チャンさんとの結婚を発表し、式を挙げた(Forbes.com 2012年5月20日)。

 アメリカの結婚と離婚の法律は州によって微妙に違い、さらに、アメリカでは婚前契約などが日本よりも発達しているなどの違いがあるが、そもそも日本の結婚や離婚に関する法律は、西洋から輸入されたものであるから、欧米先進国と日本で、これらの法律はそれほど変わるものではない。

 日本は昭和初期までは妾などはふつうであり、キリスト教的な厳格な一夫一妻制が正しい夫婦関係のあり方だとされるようになったのは、日本の近代化に伴い、西洋から輸入された結婚や離婚の法律が大きく関係していると筆者は考えている。

 さて、起業家にとって奥さんとは実に恐ろしい存在である。スポーツ選手や俳優の離婚にまつわる巨額の支払い金額はよく話題になるが、離婚が本当に恐ろしいのは、実は起業家なのである。

 創業する前に結婚して、会社がとうとう上場し、そして離婚、ということになると、夫の持ち株の半分がいきなり奥さんのものになるのだ。これはハゲタカ・ファンドどころの騒ぎではない。ハゲタカ・ファンドは株を買い占める時に、その分の現金を置いていくが、奥さんはなんの支払いもなしにいきなり株の半分を持っていくのである。

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