安倍首相が靖国神社に参拝したことに対し、台湾の馬英九総統が1月12日にフェイスブックで発表した激辛のコメントが、日台の外交関係者の間で話題になっている。なぜなら、台湾の外交部(外務省)が比較的穏健なコメントをすでに出しているのにもかかわらず、非常に強烈な言葉で日本を批判しているので、さまざまな憶測を呼んでいるのだ。

 馬総統は「昨年12月26日、日本の高官が靖国神社を参拝し、中国大陸、韓国に譴責され、我が国も強い関心を示し、米国には失望を与え、再び、東アジア地域の安全保障に不安定の種をまいた。中華民族の1人として、隣国の歴史における傷跡と痛みを顧みない日本政府行動は、理解しがたく、失望するしかない」と書いている(https://www.facebook.com/MaYingjeou参照)。

 同じ文章の中では、日本の尖閣諸島問題についてもかなりの字数を割いて厳しい批判を加えているが、これに比べて中国の防空識別圏の設定については、台湾もその範囲が重複した形となったが、馬総統は「東シナ海の情勢を緊迫させた」と客観的に触れるだけで、その扱いの差は明瞭。「親中反日」というイメージを避けようとしてきた馬総統らしからぬ態度となっている。

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