つい先日、フランスのオランド大統領(59)と女優ジュリー・ガイエさん(41)の間で不倫疑惑が持ち上がった。1月10日に発売されたフランス週刊誌クローザーは7ページにわたって、オランド大統領とジュリーさんが「お泊り密会」を繰り返していた疑惑を写真付きで報じていた。

 不倫発覚後に約600人の報道陣が詰めかけたエリゼ宮の会見でも、オランド大統領は冒頭から全くこの問題に触れずに、記者からの質問を「私的な問題には私的に対処する。それに関して議論する場ではないし、その時でもない」と完全にはねつけた。そして、不倫発覚後のフランス国民の世論調査では「不倫問題を気にしない」との回答が77%を上回ったという(Sankei Biz 2014年1月16日)。

 フランスではミッテラン、シラク、サルコジと歴代の大統領がそれぞれ華やかな女性関係を持っており、国民もそのことを全く問題にしなかった。ミッテラン大統領が記者に愛人のことを突っ込まれたときに、「それが何か?」と答えたことは有名であり、隠し子がすっぱ抜かれたときも「隠してないから隠し子じゃない」と言って何の問題にもならなかった。

 ただ、今回に関しては、オランド大統領のスキャンダルに対してフランス国民は以前のようには寛容とはいえないようであり、タブロイドだけではなく、大手各紙もやや批判的に報道しているという(ジャーナリスト木村正人ブログ 2014年1月16日)。失業率が10%以上で高止まりしたままで、支持率は史上最低の20%台で低迷しており、大統領としての仕事を満足にこなしていないのに、女性関係に時間を使っているのが無能に映るからだろう。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。