胡耀邦生誕九十年の「座談会」で、胡錦濤と曾慶紅の“利害一致”が明らかになった。しかし、中南海の外にこそ難題が――。「如履薄氷(薄氷を踏むような)心境でしょう」――中国国務院(中央政府)の二人の中堅幹部は、期せずして同じ表現で胡錦濤総書記の胸の内を推し量った。胡は、江沢民前総書記を横睨みしながら、慎重に自分のカラーを打ち出し、「一歩ずつ権力基盤を固めている」というのだ。十一月十八日に開いた故胡耀邦総書記の生誕九十周年記念座談会は、胡にとって大きな前進だった。 一九八九年四月の追悼大会以来、胡耀邦をめぐる公式行事は初めて。秋口から流れ始めた噂は、胡耀邦の誕生日である十一月二十日、北京の人民大会堂雛壇に掲げた巨大な遺影の下に九人の政治局常務委員全員が揃い、総勢二千人が参加する盛大な記念大会となるとしていた。 だが、実際には雛壇や遺影はなく、日程も十八日に前倒しした上、常務委員のうち外遊中の胡総書記と、黄菊・筆頭副首相、李長春は欠席。残る六人のなかで出席は温家宝首相、曾慶紅国家副主席、呉官正党中央規律検査委員会書記の三人だけ。さらに記念大会は「座談会」に格下げされ、参加者も四百人弱へ縮小された。

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