装備の近代化と強化を急ピッチで進める中国海軍が昨年十二月、ロシアから新たにキロ級潜水艦とソブレメンヌイ級ミサイル駆逐艦、それぞれ一隻の引き渡しを受けていたことが明らかになった。 このうち、今回引き渡されたキロ級潜水艦は、従来の877型よりもスクリュー音の静粛性が格段に高まって探知・追尾が難しいとされる新型の636型とみられる。東シナ海での活動を活発化させる中国海軍に警戒を強める米軍、台湾軍、日本の自衛隊にとって、新たな脅威となりそうだ。 中国は二〇〇三年、ロシアとの間で八隻の636型潜水艦の購入契約を締結し、〇七年度までに受領し、配備する計画になっている。今回引き渡しを受け、運搬船で中国に向かっているとみられる潜水艦は、その八隻の636型の最初の艦となる模様だ。 636型はロシアの最新鋭の技術によりスクリュー音が静かになっており、米軍や海上自衛隊の潜水艦探知能力をもってしても「発見が難しく、発見後も見失う可能性が高い」(防衛庁関係者)とされる。 防衛庁・自衛隊では、中国の潜水艦基地に向けて航行中とされる運搬船を確認するため、海上自衛隊のP3C哨戒機などによる東シナ海での警戒監視活動を強化する方針だ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。