年明け早々、蜂の巣をつついた大騒ぎ。大統領の北朝鮮寄りの姿勢を振り付けてきた「黒衣」が、強大な権力を手中にしてしまい……。[ソウル発]内閣改造による閣僚内定者が発表された年初から、韓国政界が大きく揺れている。 一月二日、盧武鉉大統領は副首相兼科学技術相に金雨植前青瓦台(大統領官邸)秘書室長、統一相に李鍾ソク国家安全保障会議(NSC)事務次長、産業資源相に丁世均ウリ党臨時議長、労相に李相洙元議員をそれぞれ内定したと発表した。これに対して、大統領と「コード」(波長)の合う人物や盧政権誕生に功労のあった「功臣」ばかりを起用した「身勝手組閣」(東亜日報)だとの批判が湧き起こった。 三日になって、青瓦台当局者は「大統領は李統一相(内定)にNSC常任委員長を兼任させる予定」と発表。さらに四日には、与党内部から起用に強い反発の出ていた柳時敏議員を保健福祉相に内定したと発表し、大きな波紋を呼んだ。 柳議員は盧大統領支持の改革党を結成、その後にウリ党入りした当選二回の議員だ。盧政権誕生の功労者ではあるが、当選後の国会にノーネクタイで登院するなど常識外れの言動でたびたび問題を起こし、与党内でも顰蹙を買っている。それだけに与党のみならず世論も強く反発したが、政界にさらに大きな衝撃を与えたのは、北朝鮮関係の政策を仕切る統一相に内定した李氏がNSC常任委員長を兼務するとの人事だった。

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