横田夫妻が生み出した「日朝」新局面(上)「モンゴルでの面会」の深層
2014年3月24日
北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの父・滋さんと母・早紀江さんが3月17日、記者会見し、3月10日-14日の間にモンゴルの首都ウランバートルで、孫でめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんと初めて会ったことを明らかにした。
長く停滞していた拉致問題が動き出したことを告げるニュースだった。
会見に出た横田夫妻は喜びに満ちた表情で面会を説明した。滋さんはいつもにこにこしながら話をするが、早紀江さんがこんなにこやかな表情で語る姿は珍しく、本当に嬉しかったのだと実感した。
娘のめぐみさんを拉致されて37年。その苦しみに耐えながら2002年にウンギョンさんの存在を知った。それから12年である。「北朝鮮に利用されるから」と孫との面会を自制してきた。これはある意味では残酷な話だ。横田夫妻は娘の拉致ということに37年耐え、そこに孫がいると分かっているのに会えないという苦しみにも12年間耐えてきただけに、喜びもひとしおだったのだろう。
状況を動かした横田夫妻
横田夫妻が帰国した翌日の3月15日にはメディアの一部が取材に動いたが、結局は、読売新聞が16日朝刊の1面トップでスクープした。読売新聞の記事はニュースソースを「複数の政府筋」としている。これが事実なら、一部メディアが取材に動いたため、日本政府筋が「もう隠せない」と読売にリークしたのではとみられる。
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