3月17日に記者会見した横田夫妻 (C)時事
3月17日に記者会見した横田夫妻 (C)時事

 北朝鮮による拉致被害者横田めぐみさんの父・滋さんと母・早紀江さんが3月17日、記者会見し、3月10日-14日の間にモンゴルの首都ウランバートルで、孫でめぐみさんの娘キム・ウンギョンさんと初めて会ったことを明らかにした。

 長く停滞していた拉致問題が動き出したことを告げるニュースだった。

 会見に出た横田夫妻は喜びに満ちた表情で面会を説明した。滋さんはいつもにこにこしながら話をするが、早紀江さんがこんなにこやかな表情で語る姿は珍しく、本当に嬉しかったのだと実感した。

 娘のめぐみさんを拉致されて37年。その苦しみに耐えながら2002年にウンギョンさんの存在を知った。それから12年である。「北朝鮮に利用されるから」と孫との面会を自制してきた。これはある意味では残酷な話だ。横田夫妻は娘の拉致ということに37年耐え、そこに孫がいると分かっているのに会えないという苦しみにも12年間耐えてきただけに、喜びもひとしおだったのだろう。

 

状況を動かした横田夫妻

 横田夫妻が帰国した翌日の3月15日にはメディアの一部が取材に動いたが、結局は、読売新聞が16日朝刊の1面トップでスクープした。読売新聞の記事はニュースソースを「複数の政府筋」としている。これが事実なら、一部メディアが取材に動いたため、日本政府筋が「もう隠せない」と読売にリークしたのではとみられる。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。