ウクライナ情報機関の「非ロシア化」が先決――暗号通信など筒抜け状態
2014年4月23日
ウクライナ情勢の出口が見えない中、ジョン・ブレナン米中央情報局(CIA)長官が4月12日、首都キエフを訪問した。
偽名での極秘訪問だったが、ロシアのメディアがすっぱ抜いた。そしてブレナン長官のキエフ訪問直後、ウクライナ治安部隊が東部ドネツク州スラビャンスクで市庁舎などを占拠していた親ロシア派グループの強制排除に着手した。
強制排除の「ゴーサイン」を出したのはCIA長官――とノーボスチ通信などロシアのメディアは非難した。もちろん、ホワイトハウスもCIAもこれを否定した。CIAスポークスマンは「長官がウクライナ当局に戦術的工作を督励するなどという主張は全くの誤り」と述べた。
さすが、ウクライナ国内に諜報網を張り巡らすロシアのこと、CIA長官の動きをいち早く察知した。しかし、米・ウクライナ間の情報協議の詳細を入手するのは困難だろう。メドベージェフ首相が「内戦の瀬戸際」などと盛んに牽制しているのは、オバマ政権側の意図を掴みかねているからではないか。
長官のウクライナ訪問の理由は、CIAと国内治安機関「ウクライナ保安局(SBU)」間の情報共有の方法を話し合うこと、さらにCIAの秘密工作や特殊部隊派遣の可能性を探ることにあった。米政府内では「秘密軍事作戦の検討が進められている」とニューヨーク・タイムズの元記者で米外交問題評議会名誉理事長のレスリー・ゲルブ氏は明かしている。
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