安倍流「マキャベリズム」が浮上させた日本

執筆者:青柳尚志2014年4月28日
 尖閣問題での「安保」発言は大きい (C)時事
尖閣問題での「安保」発言は大きい (C)時事

 胸のすく快打といってよいだろう。オバマ米大統領を迎えた安倍晋三政権は、次々と懸案を解決した。日米首脳会談の失敗を希っていた中国、そして韓国には痛恨事でもあろう。土俵際で体勢を立て直したのは、何といっても安倍流マキャベリズムの成果ともいえる。この勢いを生かしたいが、勝って兜の緒を締めよ。油断は禁物だ。

 

苦し紛れの後講釈

 4月23日の午後10時過ぎ、民放のニュース番組でアナウンサーの表情が強張っていた。同日の『読売新聞』が朝刊トップで報じたオバマ大統領の書面インタビュー。中国がちょっかいを出している沖縄県尖閣諸島について、大統領が「日米安全保障条約第5条(米国の防衛義務)の適用範囲」と明言したからだ。中国が事を構えれば、米軍は日本の側に立つぞという意味だ。

 一新聞社へのコメントを首脳会談で繰り返すとは限らない。ましてや、首脳会談後の共同声明に盛り込むとは限らない。自らメディアの役割を否定するような、ワシントン特派員との苦し紛れの床屋政談が続く。オバマ政権は安倍首相の靖国神社参拝に失望の念を表明して、叱りつけたはず。何ということをしてくれるんだ、と頭が真っ白になってしまったのだろう。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。