4月中旬、春の外出行事であるお花見が済んで一息ついた頃、すまいるほーむでは、利用者さん同士が、6月に迎える村松社長の還暦祝いにどんな料理を作ったらいいかという話で盛り上がっていた。

 佐野ゑみ子さんが、「かやくご飯がいいね。おいしいからさ。でもお祝いだからさ、お赤飯もいいね」と提案すると、小川ハルコさんは、「両方あってもいいじゃないの。ところでさ、社長は何が好きなのかな、あんた知ってる」と社長の息子の健君に聞いている。「そうですね、エビとかカニとか甲殻類が好きですね」「エビか。ハルコさんがおひなまつりで教えてくれた桜エビの佃煮もいいよね」とゑみ子さん。

 社長の還暦をお祝いしようと、利用者さんの間からそんな話題が自然と出てきて、みんなで盛り上がっている光景は本当に微笑ましい。

 これまで利用者さんへの聞き書きから、私が管理者になってからのすまいるほーむで日々営まれている風景を描いてきたが、今回はそんなすまいるほーむがどういった経緯で作られ、今に至っているのかについて、すまいるほーむを起ち上げた本社・有限会社ユニットの社長である村松誠さん=写真=への聞き書きから、まとめてみたいと思う。

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