5月27日、笑顔で記者会見される高円宮家の次女典子さまと出雲大社禰宜(ねぎ)の千家国麿さん[代表撮影](C)時事
5月27日、笑顔で記者会見される高円宮家の次女典子さまと出雲大社禰宜(ねぎ)の千家国麿さん[代表撮影](C)時事

 高円宮家の典子さま(大正天皇の曾孫)と、出雲国造(いずもこくそう)家の千家国麿氏のご婚約が内定した。

 神話の時代から続く日本を代表する名家が、結ばれることは、めでたく、喜ばしいことだ。

 ところで、天皇家と「出雲」といえば、敵対する仲というイメージがある。神話の中で、天上界(高天原)のタカミムスヒと天照大神(あまてらすおおみかみ)は、子や孫(天皇家の祖神)に葦原中国(あしはらのなかつくに、地上界)を支配させようと考えたが、オオナムチ(大己貴神、大国主神)ら、出雲の神々が邪魔になった。そこで使者を送り込み、国譲りを迫ったのだ。仲が悪いと思われるのは、あたりまえだ。

 ただし、天皇家と出雲国造家の関係は、複雑だ。

 まず、出雲国造家の祖神・天穂日命(あまのほひのみこと)は天照大神の子で、天皇家の祖・天忍穂耳尊(あまのおしほみみのみこと)の弟だった。だから天皇家と出雲国造家は、遠い親戚なのだ。ではなぜ、天穂日命は出雲と関わっていくことになったかというと、国譲りの尖兵として派遣されたからだ。つまり、出雲国造家の敵は、「出雲」だったのだ。

記事全文を印刷するには、会員登録が必要になります。