平成の”バカ査定”か!? (C)EPA=時事
平成の”バカ査定”か!? (C)EPA=時事

 1度走り出したら止まらない――。

 公共事業の失敗を戒めるそんな警句が当てはまるプロジェクトがまた1つ出てきた。2027年に品川-名古屋間、45年に名古屋-新大阪間の開通を目指すリニア中央新幹線。厳密には(今のところ)公共事業ではなく、JR東海が総額9兆300億円の建設費を自己負担で賄う意向なのだが、関西の建設族議員を中心に大阪までの同時開業を求める声が続出し、ここに来て「名阪間の建設費は一時的に国が立て替え、将来JR東海に譲渡する」という仰天プランが浮上している。一時立て替えによる国の負担は最大1兆8000億円。ところが、このリニア計画についてはJR東海前社長(現会長)の山田佳臣(65)が、昨年9月の記者会見で「絶対にペイしない」と断言した経緯がある。“赤字必至”とお墨付きのプロジェクトになぜ巨額の血税が注ぎ込まれようとしているのか。

 

歯切れの悪い物言い

 6月4日、リニア建設予定地沿線の9都府県の自治体でつくる「リニア中央新幹線建設促進期成同盟会」が都内で総会を開いた。出席した自民党超伝導 リニア鉄道に関する 特別委員会委員長(衆院近畿ブロック選出、元国土庁長官官房審議官)の竹本直一(73)が「名阪間建設費立て替え構想」を首相の安倍晋三(59)に説明済みであることを明らかにし、さらに安倍が「賛同した」と紹介。「(リニア事業を)国家の成長戦略に入れるよう頑張りたい」と決意表明をすると、会場は大いに沸いた。

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