前回(http://www.fsight.jp/26669)トーマス・シーファー元駐日大使へのインタビューに基づいて日米関係を考察したが、その番外編として、ダルビッシュ有投手が所属するテキサス・レンジャースを通してテキサス州と米国の事情を書いてみたい。ちなみに、シーファー氏は大の野球好きであると同時に、1991年から1999年までレンジャースの社長(President)を務めていた。

 2008年に私がダラスに来たときは、レンジャースは日本人からみると極めてマイナーな球団であった。伊良部秀輝投手や大塚晶則投手といった日本人選手が在籍していたこともあったが、大リーグをよほど熱心に見ている人でない限り、「レンジャース? どこのチーム?」という感じではなかっただろうか。

 それが、2012年にダルビッシュ投手と大型契約を結んでからは、テレビ中継も格段に増え、日本でも最も注目される大リーグ球団の1つとなったのは万人周知のところである。では、なぜレンジャースはダルビッシュ投手に超大型契約を提示することができたのか。そのカギは好調なテキサス経済を抜きにしては語れない。ダラスを中心にテキサス経済を、ひいては米国経済の行く先を推し量ってみよう。

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