イラン核開発問題交渉で、7月20日の期限が迫る。昨年11月24日にジュネーブで、国連安保理事国+独(P5+1あるいはEU3+3)とイランの間で結ばれたイラン核開発問題に関する暫定合意では、交渉開始から半年を包括的合意までの期限とした。ただし最大で6か月の交渉期間延長を可能と規定している。

交渉の手順が定まった1月20日から半年後の7月20日がデッドラインとされ、6カ国とイランによる交渉が毎月行われてきた。6月の交渉からは最終合意の文案が具体的に議論されてきたとみられるが、その頃から悲観的な観測が盛んに流されるようになった。

ウラン濃縮の規模が表向きの対立点だが

その最終ラウンドである7月の交渉がウィーンで2日から13日まで行われていた。そこでも最終的な合意はまとまらず、現在はケリー国務長官とザリーフ・イラン外相による米・イランの二国間協議が「ロスタイム」のように続いている。

イラン核開発問題交渉で解決がついていない懸案事項は、イランのウラン濃縮をどの程度の規模で認めるか。またその監視・検証の制度をどのようにもうけるか、査察のアクセス範囲をどう設定するか、等々である。

しかしこれらの技術的な問題とその解釈・意味をめぐる「神学論争」の背後には、結局は米国とイランがどのように相互を認めるのかという高度に政治的な問題が厳然と存在している。今後の中東の地域国際秩序をめぐる包括的な取引を両国が結べるか否かという究極的な問題を議論するための外向けの用語として、「ウラン濃縮」のパーセンテージや遠心分離器の数が語られてきた。

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