船井電機が格安の液晶テレビを擁して国内市場に再参入する。量販店最大手のヤマダ電機と組んで、「フナイ」と冠した自社ブランド製品を「大手より一五―二〇%安い価格で提供する」(船井電機幹部)。船井電機が品質や供給量を保証した上で低い卸価格でヤマダに引き取ってもらい、商品をさばいてもらおうという狙いだ。 国内では知名度が高くない船井電機だが、米国では世界最大の小売店であるウォルマートと大口の取引契約を結び、DVDレコーダーなどは八割近いシェアを占めたこともある。 当面は売れ筋の32型を中心に販売し、二―三年後には国内シェアで一〇%超を目指す。船井の進出で最も影響を受けるのは日立や東芝、三菱電機などシェアが小さな液晶テレビメーカーだ。「船井電機が仕掛ける低価格競争のあおりで採算割れすれば、いずれ淘汰される。そうなれば、船井に生産委託をしながら細々とビジネスを続けることになる」(大手テレビメーカー幹部)という可能性もある。 現在、台湾、韓国勢により液晶パネルは供給過剰で、液晶テレビの値崩れが生じている。各社は事業存続の判断を迫られることになると見られ、弱小テレビメーカーを軸にした合従連衡の動きが加速しそうだ。

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