液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」で快進撃を続けるシャープが株主総会を開いたのは六月二十二日のこと。大阪市阿倍野区にある本社には千二百人を超す株主が押し寄せ、第二会場も設けるほどの盛況ぶりだった。 シャープは三期連続で最高益を更新し、株主への利益還元策として増配を実施したばかり。にもかかわらず、株主の口からは満足の声よりも厳しい注文が相次いだ。その多くが「液晶だのみ」のシャープの事業構造についてだった。 二〇〇六年三月期の売上高は二兆七千九百七十一億円、営業利益は千六百三十七億円。このうち、液晶テレビが主力の「AV・通信機器部門」と他社にも部品として供給する「液晶パネル部門」の営業利益の合計(千三十九億円)が占める割合は六三・五%に達している。わずか四年で一七ポイント強も上昇しているのだ。 液晶テレビに続く将来の収益の柱について訊ねられた町田勝彦社長は「二〇一〇年には全世界のテレビの市場は二億台になる。うち、液晶テレビは〇九年には一億台と半分を占めるようになる。まだまだ液晶テレビの市場は伸びるし、放送局から送られるデジタル画像をそのままテレビ画面に映せるのはシャープだけだ」と回答し、「ポスト液晶は液晶」との持論を強調した。

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