対中批判は過去にも

 北朝鮮が中国をこのように批判するのはこれが初めてではない。過去にも似たような批判はしている。

 例えば、一昨年12月に北朝鮮が事実上の長距離弾道ミサイルである人工衛星の打ち上げに成功した後、第3回目の核実験をする可能性が高まっていた時期の中朝関係では、北朝鮮によるかなり厳しい批判があった。

 北朝鮮外務省は昨年1月23日の3回目の核実験実施を示唆した声明で、「間違っているということをはっきり知りながらも、それを正す勇気や責任感もなしに誤った行動を繰り返すことこそ、自分をだまし、他人をだます臆病者の卑劣な行為」と米国に追随する「臆病者」と中国やロシアを批判した。翌24日の国防委員会声明も「世界の公正な秩序を打ち立てるうえで先頭に立つべき諸大国まで気を確かに持てず、米国の専横と強健に押さえられ守るべき初歩的な原則もためらうことなく放棄している」と中国を暗に批判した。

 この時はその後、崔龍海(チェ・リョンヘ)軍総政治局長(当時)が5月22日から24日に訪中し、崔氏は習近平国家主席との会談で「関係各国と共に努力し、6カ国協議などさまざまな形式の対話と協議を通じて関連問題を適切に解決したい」と述べ、それまでの挑発路線を対話路線に転換することを表明した。さらに先述のように、昨年7月27日の朝鮮戦争の休戦協定締結60周年の慶祝行事に李源潮国家副主席が訪朝し、中朝関係の修復を内外に誇示していったんは関係修復が図られた。

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