駐北朝鮮中国大使に劉曉明氏が電撃的に任命されたことを、ワシントンの中国専門家が歓迎している。米国務省のある中国担当官は、「劉氏はアメリカの立場を理解する米国通中国官僚の一人」と評価する。 一九九八年から二〇〇一年までワシントンの中国大使館で勤務した劉氏は、タフツ大学で修士号を取得したことに加え、「クリントン前大統領と同じ身長(百八十五センチ)」を誇るユーモアがあり、中国外交官としては珍しい粋なマナーと高い英語力を持つ。二〇〇二年の中国外務省職員による人気投票では、沙祖康スイス大使、李保東ジンバブエ大使と並んで「中国外交の明日を担う三人」に選ばれた。 ブルッキングス研究所の中国専門家は、「劉氏は米国を去った後もワシントンの中国専門家と対話を続けてきた。平壌の事情を聞くため劉大使に直接、電話をかけられる人は、ワシントンに少なくない」と語る。 中国外務省は過去、外交現場に疎い国内派を駐北朝鮮大使に起用し、平壌発の情報に耳を傾けてこなかったが、これで流れが変わると米国務省は期待する。ある国務省関係者は、「中朝関係は血盟の関係という過去にとらわれた北京の長老たちが主導してきたが、アメリカと国際社会の流れをよく知る五十歳の劉氏のような若いキャリアが担当すれば、ミサイルと核問題への対処も変わるだろう」と言う。

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