苦悩は深まるばかり……(C)AFP=時事
苦悩は深まるばかり……(C)AFP=時事

 結局、イラクに引きずり戻されてしまった。イラク・アフガニスタンの戦争を終えるという成果で名を残したかったオバマ米大統領も浮かぬ顔だ。イラクとシリアにまたがって生まれた「イスラム国」。そのイスラム教スンニ派過激集団がイラクのクルド人自治区の中心都市アルビルに迫る一方、少数民族ヤジド の虐殺を始めたため、「限定的な空爆」を命じざるを得なくなった。【President Obama Makes a Statement on Iraq, The White House, Aug. 7

 これが短期の限定的介入で済むと思っている専門家はいないだろう。「もっと決定的な行動が必要になる。アメリカは戦場に引き戻された。しばらくは戦場にとどまることになろう」。英誌『エコノミスト』は、そう予言する。サダム・フセインを倒した後のイラク安定化について何の青写真もなく戦争を始めたのが息子ブッシュ大統領なら、米軍が引き揚げたあとどうなるか、十分な考慮を払わず撤退させたのがオバマ大統領。2人とも間違ったと同誌は言う。【Back to Iraq; America and the Middle East, The Economist, Aug. 16

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