あまり報じられなかったが、サンクトペテルブルクの主要国首脳会議(サミット、七月十五―十七日)と並行してもたれたファーストレディーたちのサミットは、その社交上手もあって興味深かった。 今回、夫人を同伴した首脳は、主催国のロシアをはじめ、米、英、仏、伊、加、それに欧州連合(EU)委員長(ポルトガル)の七人。独身の小泉首相と女性のメルケル独首相を除くと、妻帯者全員が夫人連れで訪露した。サミットでこれだけの首脳夫人が集ったのは珍しく、恐らくサンクトペテルブルクの魅力と無縁ではないだろう。 ロシア政府はファーストレディーたちのもてなしに知恵を絞った。美術館や工芸品工房の見学、コンサート鑑賞などお決まりのコースのほか、学生や専門家を交えて教育問題についての討論会を開いた。 ローラ・ブッシュ米大統領夫人(五九)は元小学校教師、フラビア・プロディ伊首相夫人(五九)はボローニャ大学の現役教授(社会学)というのも企画を後押しした。ファーストレディーたちは子供をどう育てたかや、理想的な教師像などについて活発に発言し、会場を沸かせた。 ハイライトは十六日昼、サンクトペテルブルク郊外のコンスタンチノフ宮殿で、リュドミラ・プーチン夫人(四八)が主催した昼食会。ファーストレディー七人のほか、ロシア人の詩人、映画監督、オペラ歌手、フィギュアスケートのコーチら、女性と同人数の文化・芸術関係の男性七人が招かれた。この日のメニューは次のようなものだった。

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